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来日公演中の最高(最悪)の瞬間の思いついたことを書いていきます。番号を付けますが、ランキングではなく、思いついた順番と捉えてください。
11.ストーンズのついでのバンドからの脱却
フーは長い間、日本の評論家等からは英米での定評もあり、けなされることはなかったが、それでもストーンズを推す評論家又はミュージシャンが一緒にほめてくれるケースが圧倒的に多かったと思う。これも不思議な話で他のハードロックバンドと共にではなくて、何故かストーンズとのセットが圧倒的に多数でした。
チャーリー・ワッツも言っていましたが、インプロビゼーション主体の演奏スタイルに似た部分があり、そこに両方の良さを感じたということでしょうか。
しかし、問題は両方を評価しているのではなく、基本はストーンズでフーはそのついであったことが多数だったことです。ついでならまだ良いのですが、実際はついでのついでのついで位ではないかという本音が見え隠れして、あまり気分のいいものではありませんでした。評論家のブログでも、やはり、ついでであったことを自ら告白したような文章を書いていた人も見かけました。
人の評価なので、そのこと自体を別に否定するわけではありませんが、今回のツアーの成功により、ひとつの評価主体として、独立して取り扱う評論が、今後主流となることを願うばかりです。
12. 新大阪駅で出会ったロジャーとピート
レビューにも書きましたが、11月14日に新大阪駅で幸運にも二人から直接サインをいただくことができ、最高の思い出になりました。会うことができたのは別々の時間帯でロジャーは他のバンド及びクルーと一緒でした。ピートはその約40分後、ボディガードと日本人関係者と3名だけで現れました。
日本人関係者(招聘元)の対応が、正反対で、ロジャーの時はとにかく近寄るな、向こうへ行けとの対応で、それでも近づくとしつこいと強く忠告される始末でした。一方ピートの時は近寄るなは同じでしたが、プラットフォームではサインをするので、順番に並ぶように指示をしていました。つまり、駅に着く前に担当者がサインをねだるファンがいるがどうしますかと、尋ねた結果、ロジャーの答えはNO、ピートはYESだったことになります。
一般的なイメージだと気さくにサインをしてくれるロジャーと気分屋で簡単にサインはもらえないピートだと思いますが、今回は逆でした。ところが、熱心なファンで私よりも遥かに両者に詳しい方のコメントでも実は、それはいつものことであって、今回に限ったことでないという方もいて、何が本当なのか分からなくなってしまいました。それでもロジャーは新大阪駅でも、フーリガン・サミット用のイラストに気づいてくれ、「仕方がないなぁ。お前だけだぞ」と言わんばかり、私を指で呼んで、最後はサインをしてくれ楽屋でも、ロジャーだけはKallanさんを含め日本人と面談していたようです。シチューエーションで両者の反応は違うこそすれ、二人ともファンを大事にしてくれるミュージシャンであることは共通しているようです。他のファンの方には申し訳ありませんが、駅のホームとはいえ二人に会い、サインをもらえるとは今でも夢のようです。実は同じく待っていたファンの方からピートと私が写っている写真をいただいたのですが、これも貴重な記念になりましたが、写っていたのは、ただそこに呆然と立ち尽くす、とても人には見せられないような、男でした。
13.ピートのアクション
97年、2000年、2004年、2006年のライブ、そして2007年のグラストンベリーのビデオ視聴も含めて、これまでピートのステージでのウィンドミル、ジャンプとアクションがもちろん年齢と共にすこしずつ、少なくなってはいるものの、特にステージング上問題を感じたことは一度もありませんでした。
しかしながら、今回は演奏面は全く問題はないものの、アクションは思っていた以上に変化していました。1年前のグラストンベリーはどうだったのかと思い一部見てみましたが、もちろんジャンプも随所にあるし、同じような映像で見ないとはっきり比べられませんが、このころはまだまだ魅せてくれていましたが、1年4ヶ月の間に大分、体力的な面では変化があったようです。63歳でギター抱えて、あのアクションをしろというのも無理がありますので、いずれは今回のような状態になるのは、明白でしたが。ジャンプはライブ全体の中でしても1〜3回程度で、私の記憶ではさいたまSAでは0回だたと思います。さすがに0回のジャンプには少しショックを受けてしまいした。ウィンドミルも大阪、横浜では連続で6回程度でさいたまで8〜9回、武道館では頑張って10回以上回していました。DVDにもなっている2000年TCTでは5:15で凄い勢いで腕を回していますが、今回は回しているはいるものの、それと比べるとスローなウィンドミルでした。
もちろん、繰り返しになりますが、年齢を考慮すれば十分以上のものであったことは間違いありませんが、無理なアクションはかなりセーブしていたことは間違いないと思います。受け入れるしかないわけですが、自分の中のピート像とはギャップがありました。
14.ロジャーのアクション
ロジャーについては、自分の持っているイメージとかけ離れたものはありませんでした。ピートよりもコンディションを保っているといようよりもアクションの変貌がピートよりも早く出た分、今回イメージ修正は必要なかったというのが、正直なところです。
ただ17日武道館については、イメージ修正というよりは、その時の気分やコンディションで、とんでもないパーフォーマンスをする人であることを再認識したということです。そのとんでもなさのレベルの認識は変えざるを得ませんでしたが。
15.武道館をバンドは意識したか。
ほとんどの観客は武道館を強く意識して、臨んだのは私を含めて間違いありません。バンドも当然、意識して17日のようなヒストリックライブになったとのコメントもネット上にはあります。これは最終的に二人に聞くしか答えはありません。私としては日本での初の単独ライブでどれも重要な公演であったはずだし、この公演だけの特殊事情、例えばカメラが入ったとか、生中継されたとか、何かを記念して特別行われたとか、他のバンドとのジョイントで注目度が高かったとか。特にありませんでしたので、バンドにとっては重要な公演のひとつ以上のものではなかったのではと推測します。あのザ・フーが武道館公演を強く意識し、張り切って演奏したなんて、有りえないと思いますが、どうでしょうか。