THE WHO “Rock’s Outer Limits” ザ・フー

ハーフタイムショーの映像がYoutube上、何種類もアップロードされています。去年のブルース・スプリングスティーンはテレビからの映像は全く確認できないので、この種の権利関係にこだわらないバンドの姿勢の違いによるものだと思う。(これが良いのかどうか分かりませんが)面白いのは映像そのものより、寄せられているコメントの方です。多いものでは2000件を超えているのもある。通算すれば相当な数になるはずです。すべてに目を通しているわけではありませんが、バンドのパーフォーマンスの不出来を非難するコメントに対して、擁護するコメントが交互に出ていて、まだその状態が継続している。「年寄りは早く引退しろ」のようなコメントに対し、「このお方を誰とこころえる」等、時代劇風のコメントがつづいている。(笑)それにしても辛辣コメントに対し、必ず誰かが援護してくれて、つくづくこのバンドは多くのファンから愛され続けていると感じます。
衝撃の生放送から2週間近くが経ち、少し落ち着いてショーを簡単に振り返ってみます。最初ロジャーのピンボール・ウィザードの歌いだしは確かに、テープじゃないかと疑いをもたれても仕方が無いくらい、どうも映像と音声にズレがあるような気がします。それが本当のズレなのか、放送上修正できなかっただけなのか。星をちりばめたような演出のステージがクローズアップされとスモークの中からピートが現れ、1曲目が始まるオープニング。ロジャーは最初、ステージ上にいないようですが、いつの間にか現れています。何度か見直してもどこから出てきたのか、はっきり分かりません。ピンボール・ウィザードですが、やはりロジャーについてはどうもいつもの歌い方とくらべ、違いますね。普段はこれほどマイクを離して歌いません。ババオライリーのハーモニカも最後の方など何かに合わしているような吹き方です。WGFA(無法の世界)9:03付近
http://www.youtube.com/watch?v=ZEDmZPx-FMg
についても、歌っていないような映像で、はっきり声が出ています。バンド演奏とピートのボーカルはライブだったと思いますが、確かにロジャーのボーカルは疑惑が残ります。逆に、もしそうだとすると、あの不自然さを感じたパーフォーマンスに答えが出ることになります。最初の曲だけ一部テープで途中でライブに切り替わったとも考えましたが、不自然さは最後の曲まで続いています。去年のブルース・スプリングスティーンは演奏はテープでボーカルだけライブだったそうなので、今年はその逆の可能性があることになります。ロジャーとピートのハモリも不自然だとか疑いだすときりがありません。(口パクだったと仮定して)理由としてはスタジアムの真ん中のステージでロジャーがモニターの音を拾えなかったことが考えられます。テープのボーカルにバンドが合わすのも難しそうですが。はっきりいえるのは、あのようなピンボール・ウィザードの歌い方はロジャーは通常しないということです。同じ曲の武道館のライブをYoutubeで見直してみましたが、マイクは口に近づけたままで、離していません。レーザー等の演出は文句無く、素晴らしかった(フィールド上のサクラ観客を排してまでも、演出にこだわっただけあり、この点では史上最高でもおかしくありません。)がパーフォーマンスについては疑問符(ロジャー口パク疑惑・ラスベガスショー風の衣装・何故か猫背、ピートの体形を含めたコンディション)がつくもので、失敗ではなかったものの並ライブでさえ残念ながら再現できなかったというのが、現時点の私の印象です。
これだけ地力のあるバンドですので、疑惑とおりだとすればよほどの障害があったのだと思います。ピートについては難聴が再発したようで、ライブ活動を続けられるかどうか岐路に立っていると報道しているサイトもあります。Relixというサイトではこのようにも発言しています。
My hope for this forthcoming tour is that we will be able to do what we did in 1989, but without such a huge band.
つまり89年と同じようなツアーだが大編成バンドではないツアー。今の編成でのスタジアムツアーを構想していることになります。スタジアムツアーであれば、同じ収益でライブ回数を少なくすることができ、それが耳への負担を少なくすることができる。集客力という面で実際に可能かどうか、現在探っている。しかしインターネット上の一部の記事ではかなり耳の状態が悪く、現在試しているイヤーモニターが合わない場合、引退になると書いてある、(というよりもピート自身そのように発言している)記事もあり、今後の動向に目が離せない状況になっています。