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9月19日で日本での最初の公演になる大阪公演まで55日になりました。ミニツアーの最初になるデトロイト公演まではわずか32日を残すばかりです。周知のとおりですが、ザ・フーは北米で10月21日〜11月9日まで10公演を行い、その後移動等のため4日間あけて、日本最初の公演になる大阪城ホールにまず登場します。通常規模のツアーと同様、今回もそれなりのリハーサルは10月上旬から開始するものと思われます。ロンドンでのウォームアップギグは今のところ発表されていません。ウォームアップは最近では、ロイヤルアルバートホールの公演前に行ったことがあります。リハーサルだけで感触のつかめない新しい機材やセットリストを試すためにウォームアップギグは行うのだと思いますが、今回のツアーでそれらに該当することがあるかどうか。前回のツアーから単発ライブを除けば1年4ヶ月空いていて、最初がデトロイト公演ですから、ウォームアップギグを行わないとしても、入念なリハーサルを行うものと考えられます。そして、セットリストも変更もそれなりに行われるはずです。2009年に噂される大規模なツアーのステップとして、セットリスト及び機材等について新たな試みが行われる可能性が十分にあります。これまでのライブから大きな転換は1999年以降無かったのと同じで、ありえないことですが、特にセットリストでは7月のライブで演奏された2000yearsやリハーサルでは行われたというSlip Kidあたりが新たに入ってくるかどうかといったところでしょうか。エンドレス・ワイアーからのミニオペラがセットリストに残るのかも注目していますが、あのアニメーションという形でピートにとっては不本意だったとは思いますが、結実していますので、おそらく完全に外してくるものと個人的には見なしています。
2002年よりアンコールとして定着しているトミーメドレーですが、そろそろ変えてもいい時期ですが、ハイライトの一つになっているだけに、他の単発曲組み合わせのアンコールでは代替にならないため、Quadropheniaからメドレーでも新たに作らない限り、変更はありえないと思います。
トミーメドレー後の最終曲Tea&Theaterについては2006年のUSツアー開始から新たに始められていますが、ライブをあのような静かな形で終わることに私は抵抗感はありませんが、派手な終わり方を求めるファンやフー歴の短いファンからは不評ではないかと思いますので、見直しも必要かと思いますが、定番化しているため、実現はやや難しいでしょう。ライブ向きの代表曲がとにかく多いバンドで、ババ・オライリーなど外したらブーイングになりそうな曲が多数のため根本的なセットリストの変更は難しいのが現状で、今から考えるとトミーからPinball Wizardしか演奏しなかった2000年ツアーはかなり大胆なセットリストだったことになります。セットリスト予想については今回直前に10回公演があるため、それで十分参考になるため、予想自体、無意味かもしれませんが、デトロイトからのミニツアーの憶測として、書きました。デトロイトや周辺都市はこれまでもツアーの早い段階で組まれやすいのですが、2000年ツアーの時も確か1回目か2回目で駐車場混雑の回避のためかアンコールを待たず帰る客が多くて、ピートも少し驚いたコメントを出していたのが記憶にあります。どのバンドも似たり寄ったりだと思いますが、フーの場合もツアー初日の出来はさほど良くないので、デトロイト公演はあまり期待していません。しかし、できればデトロイトのファンのためにも単発を除き1年4ヶ月ぶりのライブの前にリハーサル+シークレットライブをすまして、のぞんでもらいたいものです。日本公演については、北米最後のLAまで4日間とLAの後日本公演まで、4日間、空いていますので、ツアー日程上の不安は皆無です。それどころか直前に10公演こなしてくるわけですから、少なくとも現状での最高のパーフォーマンスが期待できることになります。
確かに7月のライブはトラブルが多かったのは事実ですが、忘れてはならないのは彼らにとってライブは自分達の家のようなものであって、原点であるわけなので、ファンが時折、心配するような次元には元々いない人達なのです。親近感のあまり、不必要な心配をどうしてもしがちですが、ロジャーもピートも百戦錬磨でロックロールを知り尽くしています。その2人がわざわざ日本まで凡庸なライブを4回演りにくるはずなど無く、アドリブを多用し破壊と構築を同時に行いながらの壮大なスケールのロック界唯一無比の演奏はいつまでも記憶に残るレベルのものになるはずです。もちろん同年齢のミュージシャンでこれほどのレベルをキープしているバンドは他にいないと思うし、いつまでも続けられるわけでもないのも当たり前のことです。両人ともフィジカル面は頑強ですが、耳はかなりやられているし、ピートがジャンプしたりウィンドミルをするたびに無事に着地してくれとか、怪我すんなよとかギックリ腰はしゃれにならんとか余計な心配をしたり、ロジャーのマイク回しも以前なら目をつぶっても手のひらに収まっていたものが、かなり最近は危なっかしいです。2006年9月、MSGで2日間見た演奏は「恐ろしいほど感動的」まではありませんでしたが、(詳細はアーカイブ参照http://www.geocities.jp/morijundrixarchive/newpage5.html)2007年6月のLLR経由でダウンロードさせてもらったグラストンベリー最終日ヘッドライナーの演奏(詳細はアーカイブ参照http://www.geocities.jp/morijundrixarchive/newpage6.html)は、過去のどの演奏とも違う、特筆すべき融合を見せ始めたリズム隊とピートの対決は見ごたえ十分で、個人的には最高の5つ星をつけたほどでした。それから1年4ヶ月の間にライブパフォーマーとして、危機的状況が発生していなければ、11月は何も心配することなく、ただその時の感動に浸ればいいだけの話です。危機的状況が発生しているかどうかは大阪城ホールでの数曲を聴いての最終判断になりますが、グラストンベリーの演奏と7月LAでの2回目のライブは安定したものであったとのピートのコメントから、少なくとも今回の日本公演までは大丈夫と確信しています。
つまり演奏の質の不安は60代ロックミュージシャンであれば、すべてに共通している不安であり、特有のものでは無い為、このことを懸念するのであればすべての60代ロック・ミュージシャンについて同じように心配しなければならず、考えすぎるだけ無駄という結論になりそうです。