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Japan Tourのみでオーストラリアへの予定は無く、完全な日本単独かと思っていた矢先に、US tourが発表されました。11月8日、9日LAだそうです。まだいくつか追加されるようです。ロンドンでウォームアップギグの後、コンディションを整えてから来日することが理想でしたので、LAでのショーですのでウォームアップではありませんが、結果は同じようなもので、理想的なパターンになってきました。最後のツアーでのフルコンサートは去年の7月9日で1年4ヶ月もブランクがありますので、日本へ来る前にホームにあたるアメリカやイギリスで感を取り戻してからが、どうしても必要なことでした。実際の最後のフルコンサートはVWのイベントでの去年10月6日で、この時も寒さもあったようですが、思ったようにプレイできなかったとピートは語っています。それでも1年以上空白期間が発生します。
12日はLAでVh1のフーのトリビュートショーが行われ、フーはラストで45分程度演奏しました。演奏曲目は9曲でした。
Baba O'Riley, The Seeker, Who Are You, Behind Blue Eyes, 2000 Years, You Better You Bet, My Generation, Won't Get Fooled Again, Tea And Theatre
当初はSlip Kidを演奏するとの情報もありました。ロジャーの発言でしたので、リハーサルをしたことは間違いないと思いますが、最終曲目には残らなかったようです。9曲しかない中でThe Seekerが演奏されたことも驚きでしたが、最新アルバム、エンドレス・ワイヤーから2曲選ばれていたことの方がサプライズでした。現在コンサート最終曲目に定着しているTea And Theatreはともかく、2000 Yearsはバンドで演奏されるのは初めてだったのではないでしょうか。フー・ファイターズ等のゲストも2曲ずつ演奏し、特にLove Reign O’er Meをストリングスと共にThe Real Meにホーンセクションを入れて演奏したパール・ジャムは本家も含めてその日の最高の演奏だったようです。
肝心のフーの演奏ですが、新演出のグリーンのレーザーライトが魅惑的な1曲目、ババ・オライリーYoutube http://jp.youtube.com/watch?v=72fS_FvlpIQ(他の曲もアメリカで木曜日にオンエアーされた後、Youtubeで視聴可能と思われます。)で見る限り、問題なさそうですが、実際は音質がかなり悪く、2曲目のThe Seekerは新しい眼鏡が似合っているロジャーがノイズで曲の入りを間違え、問題のYou Better You Betではピートもアンプの音で演奏を続けられなくなり、遂に演奏を中断し、再開。Won't Get Fooled Againでもロジャーがタイミングを外し、ピートはギターチェンジのため、2分間演奏をしない時間が発生する等、トラブル続きだったようです。大きなイベントですので、準備万端だったはずですが、何が悪かったのか、会場の音響をうまく把握できなかったのが第一の原因でないかと思われます。フーのサウンドは元々ギネス級のため、バランスが一度崩れてしまうと、収拾がつかなくなり、ひどいサウンドになりかねない要素を持っています。70年代以前であれば、最初はひどくても立ちなおせたことも多かったと想像しますが、現在ではピートだけでなく、ロジャーもおそらくピート以上に難聴で、ノイズが多ければ多いほどそのような芸当は困難ではないでしょうか。(ジョンも晩期は難聴でしたので、30代で亡くなったキース以外、ロックミュージシャンの職業病か、全員難聴になったことになります。)それだけに最初のPAセッティングが重要になります。今回悪いサウンドの原因を特定はできませんが、いつものスタッフ以外にVh1サイドから入ってきたとか、6000人規模の会場で慣れず、しかも音響も特殊でうまくセッティングできなかったとか、単なる機器の不具合だったとか考えられます。ピートと違いロジャーの難聴は2004年と比べるとかなり進行していることは日本公演の不安要因の一つにあげざるを得ませんが、声も良く出ていたそうですし、ピートもさすがに不機嫌だったそうですが、あれだけの名手となった現在、ザック、ピノとの過去6年間で作り上げてきたアンサンブルは今でも世界最高峰又は最高のものの一つと確信していますので、バンドサウンド自体がそうたやすく、劣化したとは、まだまだ思えません。
今回のライブの出来は非常に残念な結果になりましたが、それでもロジャーの喉の状態が良いことが確認できましたし、あのグリーンのレーザーライトは日本公演で見るのも楽しみです。曲によって、面白みがなくなるあの可動式スクリーンは、処分済みで持ってくることはおそらくないことも個人的にはプラス要因です。今回演奏された2000yearsは好きな曲のため、果たして演奏されるかどうかの楽しみも増えました。そして日本公演直前にアメリカでのライブが追加されたことは特に重要なことで、素晴らしい公演になるための外的要因が整ってきましたので、まだまだ夏が終わり、秋が過ぎて、冬になりはじめての季節に彼らはやってくるわけで、先の話で数えてみると122日後ですが、2004年のワイト島あけ、万全の状態で来日した時と違い、正直言って今回、不安要素は0ではないものの、Vh1でのパーフォーマンスに落胆する必要は今のところ、特に無いと言い聞かせることにしました。
7月15日オフィシャルサイトに載ったピートのVh1に関するコメント
"I loved the entire evening," Pete Townshend told Rob Lee of thewho.com after the show. "It was great to see the old faces at the front. I knocked my fingernail off and started to bleed within a few moments of starting to play so I didn't smile much, but I really did feel honoured."
The Who Japan Tour
11/13(木)19時〜 大阪城ホール
11/14(金)19時〜 横浜アリーナ
11/16(日)17時〜 さいたまスーパーアリーナ
11/17(月)19時〜 日本武道館
チケット S\12,000 A\11,000