THE WHO “Rock’s Outer Limits” ザ・フー

THE WHOの初来日から今日で1年になります。現在3時50分なので去年の今頃はちょうど、稲葉浩志ユーロビート的グルーブ感を持ったライブを「この人は今までどれだけ稼いだのだろうか?」と半分やっかみながら見ている時間だ。そのライブが終わり彼らが登場するまでの緊張感、今でも忘れられません。スクリーンへ何度も映し出される”THE WHO”の文字、そして歓声。ほんとに出てくるのかと不安もおぼえながら、5時過ぎに登場し、ICEのリフがなった瞬間からの90分のフーの偏屈だけどもしっかりガレージロックでその上、王道を行くライブは1年たった今でも語り続けられている。(と思う。)ワイト島フェスを終えて、一休憩後の最高のコンディションで来たバンドの演奏は2000年以降のライブでも特筆されるものの一つではないだろうか。少なくともあのライブ会場にいた人の多くは何故フーが歴史に名を刻み、数々のミュージシャンがいる中で最高のライブバンドと称号を得ているわけを体感できたはずです。ピート・タウンゼントの繊細かつワイルドなどこでインプロビゼーションが飛び出すかわからない気まぐれなギターワークを中核においた2000年以降のライブスタイルはいつの時代のものとも同様ではありませんが、全くノスタルジックなものでなく、それは紛れも無く現代のフーの演奏スタイルであると認知されようとしている。ロジャーもあの声量は60代の人のものではなかったし、Live8の感動的なパーファマンスを見ているとただ声をキープしているだけでなく、新しい境地を開拓し、晩成しつつあるように思えます。スタッフとラビット等のサポートメンバーも素晴らしかったが、ザックだけは特筆すべき存在です。キースのように飛び跳ねるかのような演奏し、かつサウンドを編み上げるかのようにプレイするスタイルは今のフーにやはり欠かせません。「オアシスにそのまま永久就職なんかしたら許さんぞ」一応、今日のところは吠えておきます。二人の肉体が続く限り前進しようとしている瞬間と呼ぶにはじれるほど長すぎる時に私たちは立ち会っていますが、一方アルバム完成の遅れ等、問題も山積です。しかし今日は記念日なので、横浜公演のビデオでも見ながら、1年前の今日の喜びに素直に浸ることにしましょう。もう少しでフー登場時刻の5時になります。