THE WHO “Rock’s Outer Limits” ザ・フー

フーとの出会いはカンボジア難民救済コンサートであると以前書きましたが、フーに関する出会いはよくよく思い出してみると、リック・ウェィクマンのアルバム「リストマニア」で聞いたロジャー・ダルトリーのボーカルでした。当時、リック・ウェイクマンがソロで数枚アルバムをリリースしていてその一枚はケン・ラッセル監督のサウンドトラックであって、ロジャーが映画に出演とリストの曲に詩をつけてボーカルをとっていました。75年の映画ということは、トミーの発表された年と同じになるわけで、1〜2年後の作品とばかり思っていたので、意外でした。そのライナーノートに紹介されていたザ・フーロジャー・ダルトリーという名前はその時初めて聞いた名前だったと記憶しています。さらにライナーノートの筆者は覚えていませんが、ロジャーも最近歌がうまくなったとほめていたと思います。その時のロジャーについては、独特のシャウトがとても良い印象を持ちました。その後、すぐにフーのアルバムを買いそうなものですが、レコード店で覗いてはみたものの、どのアルバムを買えばいいのか全く分からず実際に購入したのは、その4年後になってしまいました。四重人格のアルバムジャケットには惹かれるものがありましたが、2枚組だったので結局、断念したのだと思います。些細なことかもしれませんが、その頃(高校生)、四重人格を買って聞いていたら、どう思ったのか興味もあります。今考えるとハードロックバンドが嫌いだったので、その中心にいるバンドのアルバムを買うのが抵抗があったのだと思います。4年たち数枚のアルバムを買った中で、フーアーユーのライナーノートに書いてあったピート・タウンゼントのコメントにも、最初は抵抗がありました。ずっとロジャーがリーダーと思っていましたので、何故この全く知らない人がコメントするのか理解に苦しみました。しかも「キースが死んでも、そのスピリットを受け継いでいく」みたいなカッコをつけたコメントの内容にも違和感ががあり、「なんだこいつ」という印象でしたが、そう感じたのも最初のうちだけで、その後は自然とフーに溶け込んでいってしまいました。
リストマニアの映画は今でも見たことがありません。一時期は見たくて仕方がありませんでしたが、ケン・ラッセルへの興味が半減した今では、それほどでもありません。トミーはもう一度他の監督の手でリメイクされるべきだと思っているので、あのトミーはビデオクリップ以上の価値を少なくとも私は感じることができません。その監督が同じ年に作った映画はリストマニアが最初のフーに関する出会いだったのだと昨日思い出し、ダイアリーに記すことにしました。そしてその時にフーを聞こうとしなかったのはその頃ハードロック嫌いだったからという理由にもこのダイアリーを書きながら、気づきました。それは今でもやはり変わっていません。ハードロック特有のギターを弾かずにどのバンドよりも迫力のサウンドを生み出すピート・タウンゼントは、私にとって理想的なギタリストだったのです。