THE WHO “Rock’s Outer Limits” ザ・フー

ライブエイドのDVDが4枚組で、遂に発売されました。フーの収録曲はLove Reign O'er Me とWon’t Get Fooled Againの2曲のみなので、現在のところ購入の予定はありません。他にMy GenerationとPinball Wizardを演奏していますが、残念ながら収録されていません。収録時間が限られているのでこうなったのかもしれないし、また実際の中継では確かMGの途中からLROMの途中まで2回中断していたので、そもそもテープ自体が残っていないかもしれません。コンサート会場内での配線が遮断されてしまったのが原因と聞いているので、後者のほうの可能性が高いと思います。最近、フーも権利関係にうるさくないので、他のバンドのように収録を断るようなことはしないだろうし、もしすべてテープが存在しているであれば、見てみたいのがファン心理でしょう。多数のバンドが集まるイベントでは常に主役級なのに、ライブエイドでのフーは回線の中断というアクシデントも災いしてか、珍しく影が薄いようです。82年のトロントでのライブを最後に沈黙していたフーが3年ぶりに演奏をしたわけで、当初は注目されていたはずでした。ドラムのケニー・ジョーンズはその翌年のロンドンでのthe British Phonographic Industry awards ceremonyでの演奏を最後にフーから離れていってしまいました。今から考えると加入して3年で解散したバンドの更に3年後の1回限りの誘いによく応じてくれたものだと思います。その後、フーのファンは4年後のトミーツアー更にその7年後Quadoropheniaのツアーと再結成はあったものの、2000年の本格的なライブでの再活動までに結局18年間も待たされることになったのです。自分の中でもよくそれだけ長い期間、別格のミュージシャンとして、存在し続けたことにも驚いてしまいます。そして、そのことが意味していたことの、無意味さについてもつい考えすぎてしまいがちです。
以前のダイアリーではライブエイドについて次のように書きました。今でも考えは変わりません。
「多くのrock festival中で一番印象に残っているのは85年のLive Aidです。Live Aidはチャリティなので、festivalとは言えません。厳密には。TVを通してであるが、リアルタイムで見ることができたこと。他のfestivalでは考えられないほどの大物アーチストが多数、登場したこと。そしてザ・フーが参加したことは言うまでもない。
このコンサート中ベストプレイと言われたのがQueen,U2だったと記憶している。特にQueenはこの時のプレーをきっかけに、再評価されコンサートの動員数もかなり増えたのではないだろうか。しかし、放送されたすべてのライブの中で最高だったのは、私にとってはもちろんザ・フーでした。もともとQueenのような観客対話型ライブよりもフーのような、一見観客などお構いなしの演奏の方が好みだからだ。最近のライブでは、magic busなどでロジャーがマイクを観客に向けたりしているが、あれだけはやめてもらいたいものです。Queenについて観客対話型と言ったが、別にこのバンドが悪いわけではありません。普通のライブというのは当然のように観客対話型なんです。客に手拍子をさせたり、歌わせたりして盛り上げたりすることをあまりしないフーは、やっぱり変わっています。演奏された4曲のうち、ほとんどは回線の乱れにより、見ることは出来ませんでしたが、1曲目のmy generationからマイルドでないごつごつとした音を相変わらず出してると感心しながら見たものです。ピートはステージで転がりながら腕白に弾いていました。最近、ライブエイドをDVD化するというニュースを見ましたが、もし実現すればアーチストの顔ぶれからして、好セールスが予想されます。でもDVD何枚になるんでしょうね。ロンドンでのファイナルでピートとポール・マッカートニーが主催者のボブ・ゲルドフを担ぎ上げるシーンは感動的でした。そのあとの演奏シーンでピートを見かけなったのは、人から聞いた話ではステージ上に人がたくさんいすぎて、ステージが崩壊する危険を感じて、逃げ出したからだと聞きましたが、私自身はinterview等でまだ確認できていません。ピートの性格からしてこれを理由にし、最後まで居たくなかった気持ちがわかるような気がします。」