THE WHO “Rock’s Outer Limits” ザ・フー

2ヶ月間ネットや雑誌でいくつもフーのレビューを見てきた。雑誌のレビューは全般的には、不満の残るものが多かった。すべてに言えるのは取扱いの分量が少なすぎました。やっぱり需要が少ないということだろうか。BUZZ誌は楽しみにしていただけに、サマフェスにも関わらずフーの記事は後ろの方でやはり記事の量も少なく、フーが出演してこれだけの扱いとは寂しいものでした。その後のロッキンオン誌でもほとんど取り上げられてはいませんでした。スヌーザー誌の内容は厳しいものでしたが、これはフーに対する愛着の表現と受け取りました。巻頭に取り上げられているなど、フーに対する敬意を感じる箇所はありましたが、興奮しすぎた内容でもう少し冷静さが欲しかったという印象は否めません。Beatleg誌の記事は演奏の細かい箇所まで分析してあり、そういったことに全く疎い自分としては大変参考になりましたが、「フー特集」とうたいながら誌面のほとんどを雑誌の性格とはいえ、ブート特集に当てなければならなかったのか疑問が残りました。もう一人のフーに対する記事は悪評でした。悪評も特に否定はしませんが、二人分しかレビューがないのに、もうひとつにコンサートにも行っていない人の悪評を何故載せたか全く理解できませんでした。クロスビート誌は見忘れてしまいました。本屋で眺めた時は分量が少ないようでした。ロックジェット誌は、数人のレビューが載っていてかなり興奮気味のレビューがやはり多いでしたが、今回のコンサートについて記念に何か買おうとすれば記事の分量もそれなりにあるし、この雑誌がベストのようでした。以前同誌のフー特集でマンチェスターまで見に行き、最前列まで紛れ込んで見たためピートから睨まれた人のレビューは大変面白く読みましたが、その水準の記事は今回見当たりませんでした。
その代わり、今回はネットで面白い感想をたくさん読むことができました。そのほとんどは雑誌のレビューの何十倍も面白く読ませてもらいました。はてなダイアリー内でもフー目当てでなかった人が、感動を受けたレビューがありました。そういった新しいファンに共通なのはフーのライブがこれまで体験したことのないほどの感動を引き起こし、それはライブに感動するという表現だけでは収まりきれないものであったいうことです。これがフーのライブであり、マジックであって、デビューして40年近くたっても、重要なメンバーが2名もいなくなっても変わらず続いていることを彼らは私以外の人達に、始めてフーを知った時に感じたことを再現するかのように証明してくれました。2000年にロンドンに見に行った人の酷評も目にしました。その人はジョン不在の大きさを感じたそうです。それでも主要なフーの掲示板ではあれから2ヶ月たった今でも投稿が後を経たないし、2ch掲示板はそのイメージに似つかわしくなく日本中の良心的なファンが集う場に化しています。日本のフーファンを取り巻く環境は確実に変化しているようです。