THE WHO "Rock's Outer Limits" ザ・フー

先日行われてシドニー公演1日目では、日本で演奏された曲にYou Better You Bet, Drowned, Eminence Front, The Kids Are Alrightを追加した、フルコンサートが行われていました。2日目は5:15の代わりにPunk and Godfather, Drownedの代わりにI'm oneが演奏されています。羨ましい限りですが、今回の90分という枠を考えると、日本で演奏された曲はほぼベストだった言えるでしょう。新曲はバンドがはずしたくなかったでしょうし、トミーメドレーは通しで聞きたいし、他の曲は代表曲ばかりで聞き逃したくない曲ばかりでしたので。
シドニーで演奏されたDrowned(2日目はI'm One)は、ピートのソロだと思いますが、しつこいようですがこれだけは日本で演奏してもらいたかった曲のひとつでした。ピートはアコースティックギターの名手ですからプレイを目の当たりにしたら、その激しさと繊細さで日本のファンにもう一面の強烈な印象を与えたに違いなかったのですが、残念ながら次の機会へ先送りになってしまいました。
この曲をはずしたのはフーサイドの判断ですので、仕方のないことですが、未だに納得いかないものは90分の演奏枠のことです。もうひとつ話題になっていたエアロとの演奏順については、動員力を考えエアロをヘッドライナーに持っていきたいというプロモーター側の意向をフーサイドが了承したという経緯でほぼ間違いないと思います。最初はフェスだから仕方がないのかと思っていましたが、朝の11時から夜の9時まで時間帯でフーに後30分与えることは十分可能だったはずです。
これから書くことはあくまでも推測です。「フーから最初オファーがあり、これをきっかけに以前から検討していたロックフェスを開催することをプロモーターが企画し、交渉を進めていった。しかしフーサイドから提示されたギャラが日本での人気を考えると頼りのスポンサーもつくかどうか分からず、提示額の4分の3程度しか、示すことができなかった。普通なら交渉は決裂するところですが、今回は是非日本で公演を果たしたいというフーの意向も強く、かといって今後のことも含めギャラをdiscountすることだけは避けたかったので交渉は難航した。通常のコンサートであればギャラが安いから90分だけ演奏しますなんてことは、考えられないことですが、フェスであればフルコンサートを行わないことは、逆に当たり前でもあるため、どちらが先に提示したかは分かりませんが、ギャラ通常の4分の3程度の90分間のみ演奏という契約に最終的に至った。それは両者の意向を最も汲んだ契約内容だった。」
他の理由、例えば昼間の演奏だから時間を短くしたとか、移動の伴う2日連続のライブの為体力を温存したかったか考えられますが、現実的ではないような気がします。公演の仕組みもよく知らないし、プロモーターとアーティストとが通常どういう契約を結ぶのかも全く知りませんので、かなり間違いがあるかもしれません。もし実際は違う理由だとしても、何故単独コンサートではなく、フェスへの参加になったのか、エアロがそれにどう関係しているのも含め、この90分枠の問題はかなり複雑な経緯がありそうです。真相が明らかになることはピートが抑えきれずダイアリーで暴露しない限り、無いでしょう。来日公演が成功しましたので、その可能性も少ないですね。私の考えすぎかもしれませんが、気になって仕方がないです。
次回がもしあれば、単独公演が可能ではないでしょうか。今回のコンサートが日本でのフーの人気がアップしたり、アルバム等のセールスに良い影響を与えることができれば。