THE WHO "Rock's Outer Limits" ザ・フー

横浜と大阪の比較、単純にどちらか優れたライブであったかの単純な比較です。個人毎に考えはあっても、もちろん構いませんが私は大阪公演支持派です。
横浜は日本で初めてのフーのライブ、怒涛の演奏も申し分なかった。おそらく語り継がれるのはこちらのライブになるでしょう。24日はスタンドで25日はアリーナで見たので同一条件ではないが、観客の反応の異様さは横浜の方が優っていたと思う。しかもHistoric Liveを締めくくるには十分なギター破壊。あの瞬間、ピートがギターを振り上げるまでには、現在はほとんどしないことを知っていましたのでまさか、しでかすとは夢にも思っていませんでした。驚きました、そんなシーンに自分が立ち会うなんて。それを見て感激した一方、2chソースだとカスタムメイドで、1万ドルはするのではないかという高価なギターだからというだけではなく、あれだけのサウンドを出して、90分間にわたり聞かせてもらったギターが破壊されるのを見るのは、忍びないという感情も同居していました。
一方大阪公演は、全く前日と同じセットリストでWGFAでは大きなミスもありました。そのかわり同曲ラストのシンセパートに入る前のパートはロックバンドの演奏の音というより、なにかが爆発したかのようなサウンドでした。ドームとはいえ室内で音響はよかったし、照明効果も得られたばかりでなく、ピートのimprovisationに満ちたギターは尋常ではありませんでした。聞いていて、演奏がいつ終わるか分からないほどの緊迫した演奏でした。おそらく全く打ち合わせの無い中で、それに付いていくリズム隊も凄いものがあります。Sparks前のimprovisationがあまりに長いのでロジャーは、See Me Feel Meを歌う準備に入っていたら、Sparksが始まってタンバリンを打ちにステージ奥にまた戻ったり、それほどピートの演奏は熱が入っていたのでしょう。そのためロジャーは待機時間が長くなり、またピートがステージ中央で長く居座りすぎ、隅に追いやられた結果、コンサート終了後明らかに不満そうにしていたのは残念でした。時にはピートが腕を大怪我してアンコールにいなかったりとか、キースが気絶したり、こういったハプニングはフーにはつきものなのでしょうが、ピートもこの人切れてるのじゃないかと心配させるほどの熱中して演奏していたので、ロジャーのことまで気が回らなかったのでしょうが、もう少し花を持たしてあげて欲しかったです。ロジャー見ていて可愛そうでした。そういった後味のよくない部分があったにも係らず、大阪公演はこれ以上、演奏がエスカレートすると崩壊する一歩手前でバンドがプレイしていて、緊張感に満ちていました。評価はそれぞれあるでしょうが、あの会場にいた3万人が初めて目にする類のものだったことは間違いがないと思います。海外にフーを追っかけて見に行ってもあのレベルを超えるようなライブはそう簡単に見ることができないくらいのド迫力の演奏でした。
ロジャーあの後、機嫌が直ったか気になっていましたが、Official Siteにある新幹線ホームでの写真をみたところ、いつものロジャーに戻っていたのでほっとしました。わがままな連中はもう一人になってしまったけど、未だに辛抱させられっぱなしで、それでもめげないロジャーは立派な人でした。